介護職の給料と介護報酬の関係

介護職の給与は、当然、介護事業所の収入の中から支払われます。働いている介護事業所が、介護保険サービスの提供を主体としている場合には、介護事業所の収入の主な部分は介護報酬となります。

介護報酬とは、介護事業所による施設の利用者への介護サービスの提供に対して支払われる報酬のことで、利用者が介護サービス料の1〜3割を支払い、残りを国費で賄っています。そのため、介護保険を適用した介護サービスにおいての介護報酬は、介護保険制度によって決められており、介護事務所が独自の報酬額を設定することはできません。
なお、介護報酬は、国の財政状況や高齢化の進行具合によって、その都度、金額が変更されています。特に、最近では、介護報酬の金額が下降傾向にある上に、法律によって介護サービスの利用者あたりの介護職員の数も定められており、人件費の負担も大きくなりつつあります。
これらの要因で、介護事務所が利益を出すことは容易ではなく、介護サービスの効率化、諸経費の削減、介護施設としての利用者を定められた収容人数にどれだけ近づけられるかが求められるようになっています。

しかしながら、介護事務所の企業努力だけでは、いかんともし難いのが現状です。
その上、介護職員は、無資格や未経験でも働くことができ、常に人手不足の状況にあるため、給与が高くなくても介護職への新規の就職希望者は減らないため、給料が上がりにくい状態になっています。そのため、アルバイトやパートといった非正規雇用の従業員が多く、介護業界全体の平均収入が上がらないという問題があります。